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令和元年度玉竜旗大会女子、中村学園女子がまたも守谷を下し、4連覇達成

7月26日、玉竜旗大会女子の部はベスト128が出そろった3回戦から決勝までが一気に行なわれた。決勝はここ数年の全国大会で何度も繰り返された対戦となり、頂点に立ったのは今年も中村学園女子(福岡)だった。

昨年度まで絶対の大将だった妹尾舞香らが卒業し、今春は全国選抜大会出場を逃していた中村学園女子。高校女子の勢力地図が書き換えられるかと思われた今シーズンだが、同校は夏本番までにしっかりとチームを作ってきた。

優勝・中村学園女子(決勝のメンバーは先鋒から松永樹音(1年)、寺本すずな(2年)、大嶋友莉亜(3年)、奥谷茉子(3年)、笠日向子(2年)。中盤戦までは井上姫花(3年)、津野愛梨(3年)が先鋒、次鋒を務めた。監督=岩城規彦

ベスト4には中村学園女子のほか、同校と過去2シーズンに渡って何度となく全国大会決勝を争ってきた守谷(茨城)、今春の全国選抜大会を制した東奥義塾(青森)、そして7月上旬に行なわれた全九州高校大会を制した島原(長崎)と、ほぼ予想通りの顔ぶれが揃った。

中村学園女子と島原の準決勝、中村学園女子は1年生先鋒の松永が島原の先鋒井上からメンを奪い幸先よく勝利、次鋒森と引き分ける。中村学園女子の次鋒寺本はコテを先制するが、島原の中堅峯松がメンを返し引き分ける。中堅大嶋は、島原の副将生出と引き分け、中村学園女子の副将奥谷と島原の2年生大将岩本の対戦となった。何度もチームを救ってきた岩本だったが、ここは3年生の奥谷がメンとコテを奪い、大将笠を温存して決勝進出を決めた。

準決勝、中村学園女子×島原。中村学園女子の先鋒松永がひきメンを決め(写真)、先行する

一方の準決勝、守谷にとっては春の全国選抜で苦杯をなめさせられた相手へのリベンジとなった。守谷の先鋒大西が幸先よく勝利を収めるが、東奥義塾はすぐに次鋒本間が大西を下す。次鋒同士の対戦は引き分け、続く中堅同士の対戦では守谷の小川が一本勝ちして再び先行、東奥義塾は大将齋藤が引き出された。ここで奮闘したのが守谷の副将内藤。同じ2年生ながら実績のある齋藤に対し渾身のメンを決め、大将柿元に回さずに決勝進出を決めた。

準決勝、守谷×東奥義塾。守谷の副将内藤が、東奥義塾の大将齋藤に対しコテからメンに渡って一本を奪った(写真)

中村学園女子と守谷の決勝はともに慎重な戦いを展開し、引き分けが続く。先鋒同士、次鋒同士、中堅同士はすべて決まり技なく引き分け、副将同士の戦いとなる。この試合も引き分けが濃厚と思われたところで中村学園女子の奥谷がひきゴテを決め、柿元を引きずり出した。

奥谷に対して序盤は慎重に見えた柿元だったが、渾身の力で逆ドウを決める。すると柿元はさらに攻めに攻勢を強め、そのまま一本勝ちで奥谷を下す。中村学園女子は2年生大将笠の登場となった。互いに福岡で育ち、子どもの頃から何度も対戦している両者。柿元がついに妹尾に勝てなかったように、1学年上の柿元が有利かと思われた。

予想通り柿元優位で展開し、笠はじっと我慢する展開。しかし柿元の今一つ思い切りのいい技が見られず、前の試合から続いていた勢いが徐々に失われていく。試合は膠着状態となり、延長を重ねること3回、それまで鳴りを潜めていた笠が意を決したように捨てきったメンに跳ぶと、これが見事に決まった。

決勝、大将戦、笠(中村学園女子)が柿元(守谷)からメンを奪い(写真)、優勝を決めた

守谷にとっては煮え湯を呑まされ続けた中村学園女子へのリベンジを果たす絶好のチャンスであったが、またも夢を絶たれた。柿元以外の4人が2年生で、決勝は柿元に任せようとしてしまったのも敗因といえるがが、1年生から大将をつとめてきた柿元にとって、またとないチャンスをつかみきれなかったのは痛恨だった。

中村学園女子は春の全国選抜大会出場を逃しただけでなく、7月の九州選抜大会でも準決勝で同県のライバル筑紫台に敗れるなど、決して昨年までのような絶対的な戦績を残しているわけではない。しかし、勝ち癖といえばば良いのだろうか、勝ちに不思議の勝ちありということだろうか、今年も定位置である女王の座についた。

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