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【茨城】インターハイ予選結果(戦評)

文・近藤正伸(茨城県高体連剣道専門部記録報道担当)

概要

 6月10日、11日、14日の3日間、令和3年度第68回全国高等学校剣道大会茨城県予選会が開催された。昨年度は、新型コロナウイルス感染防止のため大会が中止となり、2年ぶりの開催となった。男子団体決勝は、第1シード水戸葵陵と第2シード土浦日大が順当に勝ち上がり、両校の対戦となった。副将戦までで勝負を決めた水戸葵陵が4大会連続16度目の優勝を飾った。女子団体の決勝は第1シード守谷と準決勝で第2シード茗溪学園を破った岩瀬日大との対戦となった。結果は、次鋒戦と大将戦で守谷が勝利し、2-0で岩瀬日大を下し、21大会連続の優勝を果たした。

 男子個人戦では、団体戦を制した吉倉選手(水戸葵陵)と団体戦決勝で水戸葵陵に敗れ、涙をのんだ櫻井選手(土浦日大)との対戦。延長戦の末、吉倉選手(水戸葵陵)が跳び込みメンを決め一本勝ち。優勝を決めた。女子個人戦は、団体戦を制した秋庭選手(守谷)と団体戦では準決勝で岩瀬日大に敗れ、苦汁をのんだ大石選手(茗溪学園)との対戦。大石選手(茗溪学園)は、先に一本を取られ不利な状態の中、得意のメンで二本を返し、劇的な逆転で優勝を飾った。

男子団体戦評

 決勝は、水戸葵陵と土浦日大の対戦となった。両校とも準決勝まで安定した試合運びで勝ち上がってきた。先鋒戦、熊木選手(水戸葵陵)と方波見選手(土浦日大)の対戦は、試合開始早々、両者逆ドウを狙う展開からスタート。互いに攻めて積極的に技を出す展開、熊木選手が攻め入り、反応した方波見選手に対し見事な出鼻メンを決める。二本目、取り返そうと方波見選手が攻め込んでメンを出した所を熊木選手がコテを決め勝利を奪う。次鋒戦は、田中選手(水戸葵陵)と上段の石井選手(土浦日大)との対戦、序盤から上段の石井選手が積極的に攻める展開だったが、上段からドウを打ち下ろそうとしたところを田中選手が冷静にメンを決め、一本先取。そのまま時間となり、水戸葵陵が2勝のリード。中堅戦、正田選手(水戸葵陵)がプレッシャーをかけるも、有馬選手(土浦日大)は動じない。有馬選手は、近間からドウを打つも旗は一本のみ。しかし、その後、再び近間から引きドウ、一本を決めた。有馬選手はその勢いで、相手の手元が浮いたところにコテを決め勝利。副将戦、土浦日大としては、中堅戦の勢いに乗って、もう一つ勝ちを奪いたいところ。浅田選手(水戸葵陵)と髙木選手(土浦日大)両者互角に戦うも、髙木選手の出頭を浅田選手が豪快に跳び込みメンを決める。その後、浅田選手時間空費での反則後、髙木選手がメンに跳び込むが、浅田選手は引きながら捌いて引きメンを決め、水戸葵陵のインターハイ出場が決まった。チームの勝敗が決まった大将戦、櫻井選手(土浦日大)が意地を見せコテを先取。その後、両者技を出すも有効打突とはならず櫻井選手の一本勝ちで試合終了。結果、水戸葵陵が4大会連続16度目の優勝を飾った。

優勝・水戸葵陵 2位・土浦日大
3位・水城、茗溪学園

女子団体戦評

決勝は、これまで1人も落とさない完璧な勝ち上がりの第1シード守谷と準決勝で第2シード茗溪学園を接戦の末、破った岩瀬日大との対戦となった。先鋒戦、果敢に攻める関選手(岩瀬日大)に対して、落ち着いた構えで捌き、機会を狙う村田選手(守谷)、互いに攻め合うも両者決め手を欠き引き分け。次鋒戦、序盤から隙あらば跳び込んでいく秋庭選手(守谷)、両者力強い打突で技を出す中、秋庭選手のプレッシャーに耐え切れず鹿内選手(岩瀬日大)がコテに出たところを秋庭選手が相コテメンで乗り、一本。そのまま時間切れとなり、秋庭選手の一本勝ち。中堅戦、上段の中島選手(岩瀬日大)に対して、細かく足を使って機会を伺う今村選手(守谷)。打たせた後の後打ちを何度も狙う今村選手に対して、中島選手は打ち切れず、そのまま引き分け。副将戦、ここで勝ちたい関川選手(岩瀬日大)は一本を取りに果敢に攻めるが、是川選手(守谷)がしのぎ、時間切れで引き分け。大将戦、森園選手(守谷)の巧みな間合い、位置取りが素晴らしい。大窪選手(岩瀬日大)が果敢に打って出るが上手に捌く。中盤、森園選手は、大窪選手がコテに出たところを上手く捌き、メンを決める。大窪選手は、最後まで技を出し続けるが時間切れとなり、森園選手の一本勝ち。結果、次鋒戦と大将戦で守谷が勝利し、2-0で岩瀬日大を下し、21大会連続の優勝を果たした。

優勝・守谷 2位・岩瀬日大
3位・土浦湖北、茗溪学園

男子個人戦評

 男子個人決勝戦は、関東大会県予選で個人戦を制し、いまだ個人戦無敗の吉倉選手(水戸葵陵)と男子団体大将戦で吉倉選手にコテの一本勝ちで勝利している櫻井選手(土浦日大)との対戦となった。開始直後から、吉倉選手は思い切った面に跳び込み、積極的な攻めを見せる。それに対し、櫻井選手は間合いを詰め、防ぐ。両者探り合いの展開が続き、決定打のないまま延長戦に入る。延長になっても強い攻めを緩めない櫻井選手と攻め負けまいとする吉倉選手の攻防が続く。延長2回目に突入。静かな立ち上がり、櫻井選手の攻めが少し陰を潜め、吉倉選手の攻めが目立つ。お互い有効打のないまま緊迫した試合が続く。そんな中、櫻井選手が間合いを詰め、攻め込もうとしたところを吉倉選手が思い切った跳び込みメンを打つ。そのメンが一本となり、吉倉選手の優勝が決まった。

優勝・吉倉 百汰(水戸葵陵)
2位・櫻井 朝日(土浦日本大学)
3位・大輪 結世(水城)、戸塚倫太朗(土浦第三)

女子個人戦評

 女子個人決勝戦は、準決勝で興野選手(茗溪学園)を破り、勝ち上がってきた秋庭選手(守谷)と同じく準決勝で森園選手(守谷)を破り、勝ち上がってきた大石選手(茗溪学園)との対戦となった。小柄な秋庭選手と長身の大石選手、間合いが全く異なる二人。序盤から秋庭選手は足を使い、隙あらば大きく跳んで出る。体格差や身長差を感じさせない躍動した動き。中盤、秋庭選手の面のつけ直しが入り、試合が動く。面のつけ直しの直後の再開、大石選手がメンに出たところを秋庭選手の返しドウが決まる。その後、大石選手がメンを打つ、それに秋庭選手がコテを合わせようとしたところに大石選手が二本目のメンを放ち、メンあり。勝負、秋庭選手がツキを打つが旗一本。その直後に大石選手がメンを打つ。見事なメンあり。大石選手(茗溪学園)が優勝を決めた。

優勝・大石 修子(茗溪学園)
2位・秋庭 紗良咲(守谷)
3位・興野 笑理(茗溪学園)、森園 華乃(守谷)

※インターハイ各都道府県予選結果総覧を、剣道日本9月号に掲載する予定です。

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