文責 岩渕裕介、遠藤尚也、石井義紘
令和3年度第67回北海道高等学校剣道選手権大会兼第68回全国高等学校剣道大会北海道予選会が、6月15日(火)~18日(金)に苫小牧市総合体育館を会場に開催され、団体戦男子25校、女子25校、個人戦男子60名、女子53名が出場した。昨年度は新型コロナウイルス感染症拡大に伴い大会が中止となり、2年ぶりの開催となった。
今大会は、新型コロナウイルス感染症対策として、選手・監督及び大会関係者にIDカードを発行し無観客での実施や開閉会式の簡略化をするなど、さまざまな場面において感染拡大防止に努めながらの開催となった。開会式の代わりに行われた「開始式」においては、佐賀豊審判長から新型コロナウイルス感染拡大防止のための「暫定的な試合審判法」について説明が行われ、動画を活用しながら選手にも具体的な試合上の反則行為などの留意点について指導が行われた。また、試合進行について、男子と女子で試合時間を分け、会場内が密になることがないよう配慮の上、試合が行われた。会場は無観客のため静寂の中試合がスタートしたが、2年ぶりの試合にかける選手の闘志は十分に伝わってきた。
男子個人戦決勝
島地(東海大札幌高校)メ- 中野(札幌日大高校)
島地(東海)はトーナメント第1シードで順当に決勝にコマを進めた。一方、中野(日大)は準決勝で4分の延長10回、休憩の時間が2回設けられるほどの死闘を接戦で制して決勝に進出した。試合開始後、お互いに気合いの入ったせめぎ合いがあり、試合は膠着状態。中盤に島地(東海)が面を繰り出すも一本にならず、4分では決着がつかず、延長戦に入る。延長中盤で、中野(日大)が面を打ち、居ついたところを島地(東海)が後にさばきながら抜き面を放ち、一本を勝ち取る。島地の優勝が決まる。
優勝・島地 龍(東海大札幌3年)
2位・中野 豪己(札幌日本大学3年)
3位・山内 麗生(東海大札幌3年)
3位・岩永 玲(恵庭南3年)
女子個人戦決勝
髙松(札幌日大高校)メ- 大塩(東海大札幌高校)
試合開始後、お互い引きをとらない展開で試合が繰り広げられる。お互いに技を繰り出すが一本にならず、最初の試合時間4分が終わる。延長1回目中盤に大塩(東海)が逆胴を打つも不十分。後半に髙松(日大)の手元が上がったところ小手を狙うが一本にはならず。延長2回目・3回目も膠着状態が続いた。延長4回目に入った直後、大塩(東海)が小手を放つも、髙松(日大)がその小手を返して面を打ち、一本を取った。髙松の優勝が決まる。 両者とも攻める試合展開であり、見応えのある試合内容であった。
優勝・高松 真子(札幌日本大学3年)
2位・大塩和香那(東海大札幌2年)
3位・臺川 美咲(東海大札幌3年)
3位・松山 花乃(札幌日本大学2年)
女子団体戦決勝
北海道栄 0(1)-0(1)代 札幌日大
先鋒戦、互いに技の攻防を繰り広げる中、松山(日大)が出ばな面で一本先取する。このまま勝ちをつかみ取るかに見えた終了間際、伊東(栄)が面を放ち、引き分けとする。次鋒戦以降は膠着状態が続き、大将戦まで引き分けに終わり、代表決定戦に突入する。代表決定戦は、両者とも大将が出場。試合開始から互いに積極的に技を出すが不十分。しかし、髙松(日大)が攻め入り、わずかに白鳥(栄)が居ついた瞬間、髙松が思い切った面に跳び込み旗が三本上がり勝負あり。札幌日大は昨年のコロナでの中止をはさみ、5年連続18回目の優勝。
優勝・札幌日本大学 2位・北海道栄
3位・東海大札幌、小樽双葉
男子団体戦決勝
東海大札幌 3(4)-1(2) 札幌日大
先鋒戦、一進一退の攻防が続き終盤に差し掛かるころ、山谷(東海)が攻め、若松(日大)が居ついたところに飛込み面を放ち一本先取する。しかし、若松がすぐに面を取り返す。勝負となった直後、若松が思い切りよく跳び込み面を放ち日大がリードを奪う。続く次鋒戦、試合の中盤、田中(日大)が面を放つが不十分、直後山内が引き胴を放ち見事旗が三本上がる。田中の猛攻をしのぎ一本勝ちとし、1対1とする。中堅戦、合田(東海)が山本(日大)の出頭に面を放ち一本先取する。その後、山本の攻撃をしのぎ、東海大札幌がリードする。副将戦、小林(日大)の左胴に対し髙橋(東海)が引き面を放つが不十分。膠着状態が続きこのまま大将戦にもつれ込むかと思われたところ、試合終盤に髙橋が鮮やかな面を決めた。大将戦は、個人戦の決勝と同じ対戦となった島地(東海)対中野(日大)は引き分けで終了した。東海大札幌は4年ぶり28度目の優勝。
優勝・東海大札幌 2位・札幌日本大学
3位・恵庭南、旭川龍谷
※インターハイ各都道府県予選結果総覧を、剣道日本9月号に掲載する予定です。