提供・兼城貴政(兵庫県高体連剣道専門部事務局)
女子団体試合の決勝戦は、念願の決勝進出を果たした加古川東と、三年連続決勝進出となる甲子園との対戦。先鋒戦から互いに気迫十分の試合が繰り広げられた。開始早々、甲子園の渡部がメンを先取、さらに手元の浮いたところを逃さずコテを取り二本勝ち。このまま勢いに乗りたかった甲子園だったが、加古川東の次鋒大塩が意地のメンで流れを引き戻した。しかし、甲子園も譲ることなく中堅の三葉が怒涛の攻めを展開、二本勝ちを収めた。負けられない加古川東副将の広末は、上段相手にコテを意識させた瞬間を逃さず、左ドウを捕らえた。さらに上段からの片手メンに対してすり上げメンを取り二本勝ち、大将戦に繋げた。だが、昨年一昨年と決勝で苦汁を飲まされた甲子園が意地を見せる。最後は大将白川が相手の居ついた瞬間を気迫溢れるメンで勝利し、接戦を制した。十二年ぶり六度目のインターハイ出場である。
男子団体試合の決勝戦は、五連覇を目指す育英と、初優勝を目指す関西学院の対決となった。先鋒戦は、互いに隙を見せず攻め手を欠いて引き分け。次鋒戦では、合い引きメンの形になったところを、育英の川畑が先を取り一本勝ち。流れを変えたい関西学院の中堅山口であったが、育英神澤が落ち着いた試合運びで引き分けとし副将に繋げた。何としてでも勝ちを得たい関西学院の副将は上段の内田。果敢に攻めるも、冷静に対応する育英和泉が、相手の諸手でのコテ-メンに応じてメンを取り一本勝ち。育英が勝負を決めた。五年連続、三十二度目のインターハイ出場である。
女子個人試合決勝は、明石の和田(3年生)と加古川東の広末(1年生)の対決となった。延長の末、上段の構えをとる和田が広末の居つきをとらえ、豪快に左メンを奪い頂点に立った。
男子個人試合決勝戦は、滝川第二の濱野(3年生)と育英の川畑(3年生)の対決となった。一進一退の攻防が繰り広げられ、延長戦に突入。最後は、濱野が厳しい攻めから、川畑が引いたところを鋭いメンで勝利した。
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