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〈観戦記〉全中神奈川県予選

提供 野崎 昂太(神奈川県中体連剣道専門部書記)

 本県では、例年通り関東大会予選会に約1か月先がけて、全国大会予選会を実施する。大会は、男女団体戦は7月5日(土)、個人戦は翌日の7月6日(日)に、両日ともとどろきアリーナにおいて行われた。神奈川県下8ブロックの代表校(代表選手)48校(48名)が集まり熱戦が繰り広げられた。また、今大会の個人戦の上位男子2名・女子2名を全国大会及び、9月の全日本都道府県対抗少年剣道優勝大会に派遣することにしている。

 男子団体戦は、潮田中と横浜中が決勝を闘った。両校の戦いは、攻め切った中に激しい技のやり取りが見られ、一瞬も目を離すことができない試合となった。

 先鋒、お互い気迫溢れる攻め合いの中、横浜中の中野選手は当たれば一本となる強力な打突を繰り返し、相手が一瞬出遅れてしまったところを上から切り落とすような面を決めた。しかし、対する古澤選手も負けず攻め返し、相手が受けに回ったところへすかさずの面と相面で連取し、潮田中がリードした。続く次鋒戦でも、お互い一歩も譲らない攻防が繰り広げられた。勝利を得て勝負を振り出しに戻したい田中選手だったが、大川選手が長身を活かした伸びる面を先取し、その一本を守り切って一本勝ちとし、優勝に王手をかけた。あとがない佐藤選手は果敢に攻め立てるも、池田選手がそれに応じて見事な小手返し面を決め、さらに勢いのまま相手の隙を見逃さず面を連取し、勝負を決めた。続く村松選手と関口選手の副将戦では、お互い惜しい技が見られるものの決まり手がなく、引き分けとなった。大将は、天野選手、北垣選手がともに両校の大将のプライドをもって鎬を削った。神奈川県の決勝にふさわしい、高度な駆け引きからの玄妙な技の応酬が見られた。大将戦は引き分けとなったが、潮田中学校が勝利し、2年ぶり11回目の全国大会の出場権を得た。

 女子団体戦の決勝は、潮田中と東海大相模中の対決となった。

 先鋒戦は、お互いの気迫をぶつけ合うような激しい技の応酬が見られる試合展開となった。1・2年生でチームを構成する東海大相模中の橘高選手は、その勢いのまま積極的に技を仕掛け、打ち合いの中で相手よりも一瞬速く相面を決めた。さらに、取り返したい潮田中の佐藤選手が前に出たところで抜き面を決め、二本勝ちとした。

 次鋒戦、潮田中の松岡選手は終始攻め続け、及川選手が面を決めようとした出鼻に小手を決め、そのまま時間切れとなり、一本勝ちとした。中堅は、開始早々松脇選手が天野選手の手元が上がった一瞬の隙をつき、引き小手を決めた。その後、その一本をしっかりと守り切って勝利を収め、潮田中が逆転した。副将戦、両者相手を探りながら攻め合うも決まり手がなく時間が過ぎるが、増田選手が数少ないチャンスを見逃さず鈴木選手の面に合わせて相面を決め、そのまま試合終了となり、チームの勝利を決めた。大将戦、決勝までチームを引っ張ってきた両者の戦いは、正々堂々とした素晴らしい試合展開であった。髙鍋選手が足を使って攻めて相面を決め、続けざまに篠原選手を攻め崩して面を連取し、勝負を決めた。次鋒からの猛攻で逆転勝利を収めた潮田中学校が、5年連続11回目の全国大会への切符を手にした。

 男子個人戦の決勝は、勢いのある試合展開で勝ち上がってきた笠井選手(都田中)と、団体戦でも全国大会出場を決めている池田選手(都田中)の対戦となった。開始早々両者が技をしかけ、笠井選手の面に対して池田選手が返し胴を決めた。その後はお互いに当たれば一本になる打突を繰り返すが、有効打突とはならず時間終了となり、一本を守り切った池田選手が優勝した。

 女子個人戦の決勝は、気迫を前面に出した試合スタイルで激戦を制して勝ち上がってきた髙山選手(戸塚中)と、2年生ながら落ち着いた試合運びで勝ち上がってきた髙鍋選手(潮田中)が戦った。両者足を使った高度な駆け引きの中で、足が止まった一瞬の隙を見逃さず髙山選手が面を先取するが、すぐさま同じく相手の足が止まったところを髙鍋選手が引き面を決めて取り返した。死力を尽くした勝負は延長戦までもつれ込んだ。長い延長の末、最後は一瞬の隙をついて髙鍋選手が渾身の面を放ち一本となり、優勝を果たした。

大会結果および優勝チームの写真を、2025年10月号に掲載しています。

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