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中央大学剣道部員・廣澤快がゆく! #20 中武さんにインタビュー

一時中断をしておりました本連載を再開します。
廣澤さんはブラジルより無事帰国しており、現在は中央大学で元気に稽古に励んでいます。

3月10日
聖武館(稽古)

中武さん

どうも!
ポルトガル語のほんの少し勉強して喋れる気になっている廣澤です。

派遣期間中に時間があるときは長期隊員の中武さんにポルトガル語を教えて頂いています。馬鹿にもわかるように教えていただいたので今のところは理解しています。分からないことがあった時でも私を励ましながら教えてくださいました。中学生や高校生の時に出会っていればもっと勉強を頑張っていたなと思いました。多分ですけど、、、。

喋れる気から本当に喋れるようにこれからも頑張りたいと思います。

本日は、JICA長期隊員の中武亮輔さんにインタビューをしたことを書こうと思います。

JICA長期派遣隊員、中武さんへのインタビュー

Q. 名前と年齢、出身地、派遣期間を教えてください。

中武亮輔(なかたけ りょうすけ)
年齢は31歳。出身地は宮崎県。
派遣期間は2019年1月~2021年1月までです。

※世界規模で新型コロナウイルス感染症が拡大している状況を踏まえ、中武さんをはじめJICAボランティアの皆さんは3月より順次、一時帰国されています。また、2020年3月以降に予定していた新規隊員の派遣も大幅に延期しているそうです。
https://www.jica.go.jp/information/info/2020/20200423_01.html

Q. JICAの長期隊員を応募するきっかけは何ですか?


ずっと自分の好きな剣道を思う存分やりたいなと思っていました。そう思っていた時に、JICAの剣道短期派遣隊員の方にブラジルの剣道長期隊員の公募があると聞いて応募しました。

Q. ブラジルの稽古についての派遣前の印象と、派遣後の今の印象の違いを教えてください?


派遣前はゆるい感じの雰囲気で稽古を行っているイメージでした。しかし、実際にブラジルの道場の稽古に参加してみると一人一人が稽古に対して真面目に取り組んでいて良い雰囲気でした。さらに、先生方に積極的に質問をしていて剣道に対して熱心な人が多いのが今の印象です。

Q. ブラジルの剣道界の問題点を教えてください。

問題点は剣道環境が悪い所です。具体的には2つあります。

1つ目は、道場の床の固さです。ブラジルの剣道場は日本と違い床が固いのです。また地方の剣道場はコンクリーの様な固い床で稽古をしているところが殆どです。なので、怪我をする人がとても多いです。改善されればもっと思い切った動きが出来ると思います。

2つ目は、剣道具が高いことです。剣道具に関税がかかるので防具の値段が高いです。また、剣道具を修理する人がいません。だから結果的にボロボロな防具をみんなで使いまわしているというのが現状です。

その2つの問題の解決策を考えているのですがなかなか見つかりません。任期を終えるまでには解決策を考え出して少しでもブラジルの剣道界に貢献したいと思っています。

テープによる修繕がはげしい床。
※しかし木の床がある道場は、中南米では貴重です。

Q. 剣道を指導する際に難しい事を教えてください。

剣道の抽象的な言葉を教える事が難しいです。例えば、攻めやため、さえといった言葉です。例を挙げるとするならば、攻めという言葉はポルトガル語では“Ataque”(アタッキ)と言います。しかし、この言葉は間合いに入るのも技を出すことも攻めという意味になります。この言葉のニュアンスがブラジルの人には難しいです。だからこの言葉を噛み砕いてわかりやすく教えるのが自分の役目だと思っています。

また日本の著名な先生方がブラジルに来て指導してくださる時にも日本語を理解できる人と理解できない人では大きな差が出てしまいます。何故なら、通訳を通して指導させるので通訳する人の解釈の違いで言葉のニュアンスが変わってきます。なので、指導されていることと実際に行っていることに違いが出て成長する機会を失っていく方もいます。中には、そのために日本語を勉強する人もいます。

Q. 最後に、これからどのような活動をしていきますか?

JICAの活動期間が終わってもブラジルの剣道に貢献できる仕組みを作りたいと思います。例えば、ブラジルの小中学生が休みを利用して日本に剣道留学できる制度やの中古の剣道具を日本から輸入出来るような仕組みです。特に剣道具に関する問題は深刻なので、いち早く解決したいです。私が関わることでブラジル剣道界の問題を少しでも解決出来たらいいなと思っています。

聖武館の皆さんと

インタビューを終えて

中武さんインタビューを受けてくださりありがとうございました。

ブラジルの剣道界の問題を解決したい、貢献したいという想いがとても伝わってきました。常にブラジルの剣道のことを考え誰とでも真摯に接している姿はとてもかっこいいです。

私も、ブラジルの人と過ごす時間が増えれば増えるほど他人から家族のような存在に代わりみなさんの力になりたいという気持ちが強くなってきています。再度ブラジルで活躍している中武さんの姿を見れることを心待ちにしています。

本日もお読み頂きありがとうございました。

手前の大きなたこ焼きのような一品は、コシーニャと呼ばれるブラジルのでん等的なおやつ。芋と鶏肉をほぐして揚げたもので、コロッケのようなもの。とても美味しく、派遣太陰の皆さんは何個も食べたとか。


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