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「茨城」令和4年度 第69回関東高等学校剣道大会茨城県予選会

文・近藤正伸(茨城県高体連剣道専門部)

5月7日、8日に個人戦が行われ、12日、13日に団体戦が行われた。

男子個人戦決勝

 男子個人決勝戦は、大輪選手(水城)と田中選手(水戸葵陵)の顔合わせとなった。大輪選手は、決勝戦に至るまでに強敵を何回もの延長の末、破ってきた。一方、準決勝で酒井選手(水戸葵陵)との同輩対決に勝利し決勝に進出した田中選手。互いに思い切りのよいメン技を得意としている。田中選手は、チームメイトの雪辱を果たすことが出来るか。

 試合開始とともに田中選手が積極的に技を繰り出す。それに対して大輪選手は得意のメン技を出すタイミングを伺う。中盤以降、お互いに攻め合い、重々しい展開が続き、延長戦に突入する。間合いの攻防から大輪選手がメンを出した機会を田中選手が逃さず、返しドウを決める。田中選手はチームメイトの雪辱を果たし優勝。大輪選手は惜しくも準優勝だったが、何人ものライバルを退け大健闘であった。

 優 勝 田中 志道(水戸葵陵)   第5位 熊木 隆汰(水戸葵陵)

 第2位 大輪 結世(水  城)    〃  今村 哲太(水戸葵陵)

 第3位 酒井 大翔(水戸葵陵)    〃  椙本 遥希(水  城)

 第4位 永座 蒼大(土浦日大)    〃  髙木 滉大(土浦日大)

女子個人戦決勝

 女子個人決勝戦は、両者ともに準決勝で守谷対決を制して決勝に進んだ森園選手(守谷)と五十嵐選手(守谷)の対戦となった。

 鋭い気合いから五十嵐選手が攻め込みコテを打つ、森園選手はすかさずひきメンで応じる。会場からは歓声が上がるがどちらも有効打にはならない。攻め込まれた流れを変えるかのように森園選手が前に出る。構えから竹刀を押さえてコテを打つと見せ、メンに伸びた森園選手のメンが見事に決まった。二本目に入り、五十嵐選手も挽回しようと積極的に攻める。両者激しい打ち合い。五十嵐選手は準決勝で決めたツキ、伸びのあるメンを放つが惜しくも有効打にならない。一方、森園選手も守りに入ることなく応戦する。見応えのある攻めと技の応酬だったが時間切れ。森園選手の一本勝ちとなり、優勝を決めた。

  優 勝 森園 華乃(守  谷)  第5位 皆川  凛(水  城)

  第2位 五十嵐和奏(守  谷)   〃  岡本 典華(取手松陽)

  第3位 村田 結依(守  谷)   〃  町田 結依(茗溪学園)

  第4位 今村 真穂(守  谷)   〃  小薗井彩矢(水戸葵陵)

男子団体戦決勝

 男子団体決勝は準決勝を僅差で勝ち上がった水戸葵陵と水城の対戦となった。先鋒戦、開始早々から互いに激しく技を出し合う展開となった。望月選手(水戸葵陵)がひきメンを出した後、前に出てきたところを入江選手(水城)が見逃さず出ばなコテを決める。二本目開始早々、入江選手の手元が上がったところに望月選手が落ち着いてコテを決める。勝負となり、やや時間が経過した後で両者メンに跳ぶ。望月選手のメンが上から乗り二本勝ちとなる。次鋒戦、和田選手(水城)が攻めて技を出すが、今村選手(水戸葵陵)は落ち着いて裁く。スピードと力強さが際立つ今村選手がメンを打ち込み、そのまま和田選手に体当たり、和田選手が場外へ出され反則1回。その後互いに有効打突はなく引き分けに終わる。中堅戦、正攻法で攻め込む田中選手(水戸葵陵)と何とか一本が欲しい西連寺選手(水城)の対戦。互いに激しい攻合いで重々しい展開が続く。鍔迫り合いから田中選手が間合いを切りきらず、公正を害する行為で反則1回をとられる。その後、西連寺が激しく前へ出て技を見せるも時間となり引き分けとなる。副将戦、大輪選手(水城)が持ち前のメン技を主体にツキ、ひきメンなどかかんに技を出す。酒井選手(水戸葵陵)も機を見て技を出すが有効打にはならず引き分けに終わる。大将戦、椙本選手(水城)が果敢に攻め技を出すが、熊木選手(水戸葵陵)の堅い守りに手こずり一本にはならない。熊木選手に時間空費の反則1回が与えられるが、そのまま時間となり引き分け。先鋒戦のリードを守り切った水戸葵陵高校が優勝を決めた。

女子団体戦決勝

 女子団体決勝は守谷高校と茗溪学園高校の対戦となった。先鋒戦、今村選手(守谷)と生駒選手(茗溪学園)は開始から機敏な動きで打ち合う。「技を出せ」という塚本監督の声に今村選手が反応し、試合場の隅に追い込まれながらも攻め込んで生駒選手のメンを誘い、見事なドウを抜いて一本となる。その後、生駒選手が取り返そうとするが、打ち気が余り手元が浮き始める。今村選手が逃さず出ゴテを決めて二本勝ちとなる。次鋒戦、身長がある興野選手(茗溪学園)に小柄な中村選手(守谷)が足を使い手元を狙う。互いに技を出すが有効打なく引き分けに終わる。中堅戦、村田選手(守谷)が積極的に前に出ていくが、田口選手(茗溪学園)が足を使いながら応じる。村田選手がメンに伸びる気配を見せながら鋭く攻め込むと、田口選手の手元が浮き上がり、村田選手が逃さずコテを打ち込み一本となる。そのまま時間となり村田選手の一本勝ち。副将戦、上段の湯山選手(茗溪学園)に五十嵐選手(守谷)がパワーで崩しにかかる。五十嵐選手が攻め込み、湯山選手が崩れて竹刀でよけた所に竹刀越しにメンを打ち込み一本となる。その後互いに有効打なく時間となる。大将戦、町田選手(茗溪学園)の強い攻めに横山選手(守谷)が退かせる場面もあった。緊迫した技の攻防が続き、試合終盤に横山選手が思いきったメンを繰り出すが旗一本。一瞬空白の時間があり両者互いにメンを出す。横山がきわどい相メンを制し一本となる。すぐに時間となり守谷高校の優勝が決まった。

男女団体優勝チーム、男女個人入賞者の写真は、剣道日本8月号に掲載。

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