レポート 小原大(栃木県高体連剣道専門部)
各部門決勝戦
男子団体戦は佐野日本大学高校と小山高校との対戦となった。直前に行なわれた関東大会の決勝戦でも両校は対戦しており、その際には小山高校が優勝を飾った。その雪辱を果たすべく臨んだ佐野日本大学の選手であったが、決して冷静さを失ってはいなかった。先鋒が引き分けた後の次鋒戦において、佐野日本大学高校の西野選手が相手の居着いた一瞬の隙を逃さずメンを決めて優位に立った。続く中堅戦、副将戦を引き分けた後の大将戦においては、何とか一本を取ろうと攻めかかる小山高校の清武選手が放った乾坤一擲の片手メンを、佐野日本大学高校の土井選手が抜きメンで返して決着をつけ、この結果佐野日本大学高校が5年連続8回目の本戦出場を決めた。
女子団体決勝戦は、小山高校と作新高校の対戦となった。先鋒戦はお互いに積極的な試合が展開され小山高校の毛塚選手が、序盤に跳び込みメンを決め一本勝ち。次鋒戦は、小山高校の山口選手が、メンを主体とした攻めを見せ、序盤と中盤に跳び込みメンを二本決めた。続く中堅戦は、後がなくなった作新高校の福島選手が鋭く攻め入り、小山高校の刀川選手の手元が上がった所メンを決めた。終盤になり刀川選手がメンを取り返し、最後は福島選手がツキを放ち体勢が崩れた所を刀川選手がすぐにひきメンを決め、本戦出場を果たした。その後、副将戦は、お互いに一歩も譲らず引き分け。大将戦は、作新高校の高濱選手のメンに対して、小山高校の髙松選手が出ゴテを決めて一本勝ちとなり、小山高校が3年連続8回目の頂点に輝いた。
男子個人決勝は佐野日本大学高校の土井選手と藤田選手の対戦となった。手の内を知った間柄でもあり、相手の出方を探りながらの攻防が続く。2回目の延長中盤に、藤田選手はコテ返しメンを放つも決まらず。延長終了近くに、けん制しあって近づいた刹那に放った土井選手のひきゴテが一本となり、優勝が決まった。
女子個人戦決勝は高松選手と山口選手の小山高校同士の対戦となった。山口選手は果敢に攻め入るも、髙松選手は構えを崩さず冷静な試合運びで隙を与えない。残り時間1分を切ったところで、髙松選手の圧力に対して山口選手が居着いた瞬間を髙松選手が見逃さず跳ぶ。山口選手も瞬時に反応したが髙松選手のメンが決まり、そのまま決定打となった。
編集部より
※全都道府県予選の優勝校(写真付)及びインターハイ団体戦トーナメントを、9月号(7月25日発売)に掲載