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「戦評」インターハイ富山県予選

資料提供 飯島貴英(富山県高体連剣道専門部事務局)

男子団体戦

 先に開催された春季大会でシード権を獲得した龍谷富山、富山の2校と、シード校に勝利した高岡工芸と富山工業の2校が勝ち上がり、準決勝に進出した。準決勝の組み合わせは、龍谷富山×高岡工芸、富山×富山工業となった。龍谷富山×高岡工芸の試合は、龍谷富山が先鋒戦、次鋒戦、中堅戦に勝利し、そのまま副将戦、大将戦も勝利して、相手に一本も与えずに危なげなく決勝進出を決めた。一方、富山×富山工業の試合は、先鋒戦は引き分けたものの、富山が次鋒戦、中堅戦に勝利していい流れを作った。続く副将戦で富山工業が勝利して巻き返しを図ったが、勝ち気に勝った富山が大将戦で二本勝ちし、決勝進出を決めた。

 龍谷富山×富山の決勝戦は、先鋒戦が引き分けとなり、緊迫した試合展開になるかと思われた。しかし、続く次鋒戦、中堅戦、副将戦と龍谷富山が勝利して、一気に勝負をつけた。富山は大将戦に勝利をして一矢報いたが、龍谷富山が6年連続9回目のインターハイへの切符を手にした。

女子団体戦

 先に開催された春季大会でシード権を獲得した高岡工芸、呉羽、富山北部、富山の4校が順当に勝ち上がり、準決勝に進出した。準決勝の組み合わせは、高岡工芸×富山、富山北部×呉羽となった。高岡工芸×富山の試合は、先鋒戦を高岡工芸が取ると、次鋒戦で富山が取り返し、中堅戦を高岡工芸が取って再びリードすると、また富山が取り返すというシーソーゲームとなった。最後は、勝ち気に勝った高岡工芸が大将戦で二本勝ちし、決勝進出を決めた。一方、富山北部×呉羽の試合は、一人少ない呉羽に対して富山北部が、先鋒戦で不戦勝ち、次鋒戦で二本勝ちして試合を有利に進めた。しかし、中堅戦で二本勝ちした呉羽が、続く副将戦でも勝利して大将戦に持ち込んだ。最後は、勝ち気に勝った富山北部が大将戦で勝利し、決勝進出を決めた。

 決勝戦は、先鋒戦が引き分けとなり緊迫した試合展開になるかと思われた。しかし、次鋒戦に勝利した高岡工芸が、続く中堅戦、副将戦でも勝利して一気に勝負をつけた。高岡工芸は最後まで気を緩めることなく大将戦でも勝利して、2年連続10回目のインターハイへの切符を手にした。

男子個人戦

 参加143名の中から、シードの大野選手、田近選手、冨田選手(ともに龍谷富山)、増田選手(富山中部)の4名が勝ち上がった。準決勝の大野選手×冨田選手の試合は、大野選手がツキを決めて勝利し、増田選手×田近選手の試合は、延長戦の末に田近選手がコテを決めて勝利した。春季大会と同じ顔合わせとなった大野選手×田近選手の決勝戦は、お互いになかなか技が出せない緊迫した試合展開となった。しかし、少しずつ優勢になってきた大野選手が見事なメンを決めて先行する。田近選手も取り返そうと攻勢に出るが、大野選手も巧みに応じて打たせない。そのまま時間となって大野選手が優勝を果たした。

女子個人戦

 参加90名の中から、板戸選手、奥村選手、嶋田選手、竹部選手(ともに高岡工芸)の4名が勝ち上がった。準決勝の板戸選手×奥村選手の試合は、奥村選手がドウを決めて勝利し、嶋田選手×竹部選手の試合は、竹部選手がコテを決めて勝利した。春季大会の準決勝と同じ顔合わせとなった決勝戦は、序盤はお互いの探り合いが続く。春季大会で敗れている奥村選手は、今回は負けられないと攻勢に出るが、竹部選手も攻め返す。両者とも決め手のないまま試合が進んだが、一瞬の隙をついて奥村選手が見事なコテを決めて先行する。竹部選手も取り返そうと攻勢に出るが、奥村選手も巧みに応じて打たせない。そのまま時間となって奥村選手が優勝を果たした。

剣道日本2023年9月号では、インターハイの全都道府県予選結果を掲載(優勝校及び個人戦上位入賞選手の写真も掲載)。

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