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[茨城]インターハイ予選(戦評)

文 代田好弘(茨城県高体連剣道専門部記録報道委員)

1 全体

 本大会は6月13・14・20日の3日間にわたって開催された。男子団体は関東予選を優勝し勢いに乗る第1シードの土浦日大と、全国選抜出場を逃すも関東大会第3位入賞の水戸葵陵が対戦した。結果は次鋒戦で水戸葵陵が先制するも、中堅、副将と土浦日大が勝利し、土浦日大が8年ぶり17回目の優勝を飾った。女子団体は第1シードの守谷と第2シードの取手第一の対戦となった。次鋒戦、中堅戦を守谷が勝利し、副将戦で取手第一が一勝を返すも、そのリードを守り切り守谷が勝利。令和2年のコロナウイルス感染拡大による代替大会も含めて25大会連続の優勝を飾った。男子個人の決勝は水戸葵陵の武本選手と、土浦日大の飯島選手の対戦となり、一本ずつ取り合った後に、延長戦で武本選手の優勝となった。女子個人は守谷高校の石井選手と鹿島高校の鬼沢選手の対戦となり、お互いに譲らない展開で、2回の延長戦を経て最後は石井選手が優勝を手にした。

2 男子団体

 令和6年度全国大会茨城県予選男子団体は、選抜大会予選、関東大会予選と県大会を連覇した土浦日本大学高校と、選抜大会の出場を逃し雪辱を果たそうとする水戸葵陵高校の対戦となった。先鋒戦、お互いに思い切りのいい技を出し合うが、黒澤選手(土浦日大)に公正を害する行為、古澤選手(水戸葵陵)に時間空費の反則が与えられ、そのまま引き分け。次鋒戦、飯島選手(土浦日大)が積極的に技を出すも、星選手(水戸葵陵)が飛び込み面で一本先取。星選手に時間空費の反則が与えられた直後、飯島選手が一瞬の隙をついて引き面で一本を返す。その直後、星選手もお返しとばかりに一瞬の隙をついて引き面を決め、水戸葵陵が先行する。中堅戦、1年生の首藤選手(水戸葵陵)が果敢に技を出すも、手元の上ったところを、佐藤選手(土浦日大)は逃さず小手を決めてそのまま一本勝ち。続く副将戦、積極的に仕掛ける八幡選手(土浦日大)が酒井選手(水戸葵陵)のメンに対し出小手を先制し、そのまま一本勝ち。そして大将戦、絶対に一本を取らなければならない武本選手(水戸葵陵)、絶対に打たせられない浅野選手(土浦日大)。武本選手が激しく攻め立てるが、一本が遠く、ここで笛が響く。土浦日大が8年ぶり17回目のインターハイの切符を手にした。

3 女子団体

 決勝は関東大会を優勝し勢いづく第1シードの守谷と、第2シードの取手第一の対戦となった。先鋒戦、両者ともに細かく足を使った気合い溢れる展開になる。山口選手(守谷)が素早く間合いを詰め、石井選手(取手第一)の手元が上ったところにコテを出すが、旗が1本と有効打にはならない。次鋒戦、鏡選手(取手第一)が積極的に前に出て技を出したが、釈迦郡選手(守谷)も負けじと前に出る。一進一退の中、鏡選手が退いたところに釈迦郡選手が飛び込みコテを決める。その後も前に出て技、体当たりと攻めこむ釈迦郡選手に対し、鏡選手は体勢を崩され、2度の場外反則となり、釈迦郡選手の二本勝ちとなる。中堅戦、追う展開となった松本選手(取手第一)に対し石井選手(守谷)が強烈に攻めこみ、伸びのあるメンで1本。その後、松本選手も積極的に仕掛けるが、石井選手は守り切り一本勝ち。副将戦、戸塚選手(取手第一)は上段から勢いのある技を繰り出し、吉村選手(守谷)はそれをすかさず応じ技で対応する。中盤、竹刀落としで戸塚選手が反則となるが、直後にコテを決めて1本。戸塚選手はこの一本を守り切り、一本勝ちで大将戦へと繋ぐ。大将戦、2本勝ちが必須となり果敢に攻める小磯選手(取手第一)に対し、冷静に試合を運ぶ熊木選手(守谷)。途中、時間空費の反則が熊木選手に与えられるが、両者決め手がなく試合終了。守谷の24回連続の優勝が決まった。

4 男子個人

 男子個人の決勝戦は、男子団体でインターハイ出場を決め関東大会では男子個人3位入賞と勢いに乗る土浦日大の飯島選手と、団体戦での雪辱を果たそうとする水戸葵陵の武本選手の対戦となった。序盤から両選手とも前に出て激しい攻防の中、飯島選手が前に出たところを武本選手が豪快な出ばなメンで先制する。その直後、飯島選手が手元を上げた場面で武本選手が小手を打ち込むが旗は一本しか上がらず。鍔迫り合いから飯島選手が引き逆ドウで一本を返す。そのまま試合は延長戦へ。延長戦でもお互いに激しい攻めを見せる。コート際に追い込んだ飯島選手がメンに飛ぶと、武本選手は落ち着いて返して引きメンを打ち込み、一本。団体戦での悔しさをばねに戦った、武本選手の優勝となった。

5 女子個人

 女子個人の決勝戦は、ともに第1シード、第2シードの選手を破って勝ち上がった、鹿島高校の鬼沢選手と守谷高校の石井選手の対戦となった。開始早々、石井選手が飛び込んだところ、鬼沢選手がコテで応じるも、どちらにも旗は上がらず。鬼沢選手が飛び込みメンでリズムを作るも、石井選手は冷静に捌き、すきを見て逆に攻めたてる。途中、鬼沢選手がタイミングをずらして思い切りの良い面を打つも、一本にはならず。そのまま両者一歩も譲らず、延長戦へ。1回目の延長戦は両者とも相手の出方を窺う展開で、決定打がなく終了。2回目の延長戦は鬼沢が積極的に仕掛けていく。鬼沢選手が間合いを詰めた一瞬、石井選手の目が覚めるような飛び込みコテが決まり試合終了。守谷高校の石井選手の優勝となった。

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