提供 小原大(栃木県高体連剣道専門部)
男子団体戦は、連覇を目指す文星芸術大学附属と、準決勝で関東大会準優勝の佐野日大を下して勢いに乗る小山との対戦となった。立ち上がりは両校互角であったが、次鋒戦で小山の主将である大関選手が小手を奪って一本勝ちを収めた。文星芸大も粘りを見せて中堅戦を引き分けたが、副将戦で小山の安田選手が飛び込み面を決めて一本勝ちとなった。文星芸大の大将の中川選手が最後に意地を見せて面と突きの二本を奪ったが、小山が2対1で勝利を収め、実に8年ぶり16度目となる本戦出場を果たした。
女子団体は、小山と作新学院の対戦となった。小山の先鋒・小林選手と次鋒・高橋選手が鮮やかな出鼻メンを決めて共に一本勝ちを収めた。続く中堅・副将戦は、両者有効打突に結び付かず引き分けとなり小山が本戦出場を決めた。大将戦は、小山の大河原選手が飛び込みメンを決め、その後、作新学院・刀川心美選手の小手に対して大河原選手が冷静に対応して小手面を決め、小山が5年連続10度目の頂点に輝いた。
男子個人戦は、佐野日大の原田選手と小山の川上選手との対戦となり、5月の関東大会県予選個人決勝と同じ対戦となった。早々に前回優勝の原田選手が積極的に攻撃を仕掛けるが、それをしのぎつつ上段の構えの川上選手が一瞬の隙をついて片手面を振り下ろし一本。その後は原田選手も足を止めずに猛攻を繰り出すが時間切れとなり、川上選手が一本勝ちを収め、初優勝を飾った。終了後に二人が健闘を称え合う姿が二度の激戦を印象づけた。
女子個人戦は、小山高校の大河原選手と山口選手の対戦となった。大河原選手は、昨年5月の県総体から県内公式戦二十五連勝中で、先日行われた関東大会では女子個人戦を制した実力者。二人は中学時代から同じ学校で剣を交え、お互いに手の内を知るもの同士。序盤から互いに一足一刀の間合から相手の出方を窺うような試合運びとなった。延長戦に突入し六分を過ぎた頃、山口選手がすっと間合いを詰め、大河原選手の剣先がわずかに下がった瞬間を見逃さず、無心で放った飛び込みメンが決まり、熱戦に終止符を打った。
団体戦優勝チーム及び個人戦上位入賞選手の写真を、9月号に掲載しています。