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[茨城]2025インターハイ予選(選評)

[茨城]2025インターハイ予選(選評)

提供 代田好弘(茨城県高体連剣道専門部記録報道委員会)

男子団体

 4月の関東大会茨城県予選を制し第1シードを獲得して臨んだ県立取手第一と、昨年度の全国大会予選を制し、連覇に燃える土浦日大の対戦となった。先鋒戦は上段の構えから豪快な技を繰り出す土浦日大の柴田に対し、負けじと取手第一の斎藤も攻め返しながら左小手を狙っていく。一進一退の攻防が続いたのちに柴田が勢いよくメンに飛び、柴田もコテで返そうとするが及ばずに、柴田が面を先取。その後も激しい攻防が続くが、柴田の一本勝ち。続く次鋒戦、取手第一の小岸が不当なつばぜり合いで反則を取られたのちに、松本も時間空費の反則を取られる。終盤に小岸の手元が浮いたところを松本がコテを決めてそのまま一本勝ち。

 勝負がかかった中堅戦、取手第一の佐藤が充実した気勢で技を繰り出すも土浦日大の道川が落ち着いて攻め返す。途中、佐藤が中心を取ってメンを繰り出すも一本にならず、そのまま引き分け。副将戦、何としても取り返さなければならない取手第一梅村は序盤から勢いよく攻め込む。素早く攻め立て、土浦日大多田の手元を浮かせたところでコテをとらえ一本を先取。その後も梅村は攻め続け、多田が居ついたところにメンを決めて二本勝ち。勝数1-2、取得本数2-2で迎えた運命の大将戦。チームの逆転勝利を目指し取手第一の河津が怒涛の攻めを見せる。対する土浦日大の佐藤も応戦しながら攻め返す。佐藤に時間空費の反則が与えられ、攻防の激しさが増していく。お互い有効打突に近い技を繰り出すも、一本にはならず、引き分けで試合終了。先鋒次鋒と2勝を先制した土浦日大が、後半に猛烈に追い上げる取手第一を振り払い、2年連続の全国大会への切符を手にした。

女子団体

 決勝は茨城で開催された関東大会を制し勢いづく第1シードの守谷と、第3シードから2年ぶりに決勝に駒を進めた水戸葵陵の対戦となった。

 先鋒戦、水戸葵陵の冨山が序盤から足を使って攻め、積極的に技を出す。対する守谷の伊東も落ち着いてさばきながらメンを繰り出す。冨山がメンに出たところを伊東の返しドウが決まる。何とか取り返したい冨山が果敢に攻めるが一本にはならず、伊東の一本勝ち。次鋒戦、序盤から守谷の釋迦郡が得意の二段技で、水戸葵陵の武田を翻弄する。武田も負けじと思い切りのいい技を繰り出すが、釋迦郡のコテメンが立て続けに2本決まり2本勝ち。中堅戦、水戸葵陵の小松﨑が積極的に前に出てチャンスをうかがうが、ライン際でもつれたところで「止め」がかかる。その直後、小松﨑が思い切りよく面で飛び込み、守谷の櫻井が返しドウで応じるも、メンが決まる。二本目の開始直後、櫻井がつばぜり合いから引きメンを放ち一本を返す。小松﨑が取り返そうとコテに行こうとしたところを、櫻井の鋭いメンが決まり、2本勝ち。守谷の勝利が決まる。副将戦、勝負は決したが、一矢報いたい水戸葵陵の杉山が守谷の吉村の竹刀の上からメンに乗り一本先取。その後も、一進一退の攻防の中で、両者ともに技を繰り出すが、一本にはならず、水戸葵陵が1勝を返す。大将戦、両者一歩も譲らず緊迫した攻防が続く。技を出し合うも、お互いに一歩も引かず、そのまま引き分け。守谷が優勝し、コロナ禍での代替大会を含めて26連覇を達成した。

男子個人

 決勝は、茗溪学園の川島と、団体でのインターハイ出場を逃し何とか雪辱を果たしたい水戸葵陵の首藤による対決となった。開始直後から川島が積極的に技を仕掛け、首藤は落ち着いた対応でそれをさばく。互いに強気の攻めを見せる中、試合が動いたのは開始から約1分後。つばぜり合いから川島が鮮やかな引き逆ドウを決め、一本を先取する。リードを許した首藤だったが、冷静な攻めを展開し、川島の足が一瞬止まった隙を逃さず、諸手ツキで一本を返す。その後、緊迫した攻め合いが続くが、お互いに惜しい技を繰り出しながらも決め手に欠ける展開が続く。最後は首藤が巧みに川島を誘い、出ばなをとらえての相メンを決めて勝負あり。見事、水戸葵陵の首藤が優勝を勝ち取った。

女子個人

 決勝は、女子団体でインターハイ出場を決めている強豪・守谷高校の同門対決となった。関東大会出場を逃した悔しさを胸に勝ち上がってきた熊木と、本年度関東女王の吉村。互いの手の内を知り尽くした二人の対戦となった。試合開始の号令と同時に、両者は激しく火花を散らす。開始30秒に吉村が思い切った面に飛び、相メンとなったが、吉村に旗があがる。しかし、熊木も即座に反撃。相手の手元がわずかに上がった隙を逃さず、鮮やかな出小手を決めて試合を振り出しに戻す。その後は互いに決定打を許さぬまま試合時間が終了し、勝負は延長戦へ。延長に入っても、一進一退の攻防は続く。果敢に前に出て攻める吉村に対し、熊木は冷静に相手の動きを見極め、打つべき好機を辛抱強く待つ。緊張感は最高潮に達し、試合時間は10分を超えていた。三回目の延長、吉村が勝負をかけ、メンに飛び込んだ瞬間、熊木は吉村のメンに対して、素晴らしいタイミングで出ゴテを放ち、旗があがる。熊木が関東大会の雪辱を晴らし、見事優勝を飾った。

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