日本武道館の改修工事のため、初めて大阪で開催された全日本選手権大会。宮崎県の代表選手が直前のケガによって予選2位の選手と交替となった。また、1回戦では足を負傷する選手が発生するアクシデントもあり、波乱含みの幕開けとなった。
★1回戦
3連覇を狙った西村(熊本)は1回戦で市川(栃木)に面を奪われ敗退。
前田、小角、土谷ら大阪代表3名は揃って1回戦突破。
内村(東京)と網代(兵庫)、安藤(北海道)、竹ノ内(東京)、山田(北海道)、竹下(大分)、松﨑(茨城)ら注目選手も1回戦を勝利している。
★2回戦
網代(兵庫)は國友に面を打ち込まれ敗退。
内村(東京)も足立(埼玉)に小手を奪われ敗れる。
竹ノ内(東京)、畠中(東京)の警視庁勢力はそれぞれ武田(宮城)、市川(栃木)に勝って2回戦突破。
前田(大阪)、小角(大阪)の2人は快勝。土谷(大阪)は長い延長戦を強いられながらも3回戦進出を決めた。
安藤(北海道)、山田(北海道)の2人も3回戦へ。山田は次戦は松﨑(茨城)との対戦をむかえる。
★3回戦
土谷(大阪)が足立(埼玉)に面を打ち込まれて敗北。
前田(大阪)は原口(佐賀)から面を二本奪う圧巻の勝利。
安藤(北海道)は合屋(京都)を、学生剣士・松﨑(茨城)は山田(北海道)を、竹ノ内は森原(広島)を倒して、それぞれ準々決勝進出を決めている。
畠中(東京)と小角(大阪)の対戦は畠中に軍配。
竹下(大分)は先制を許しながらも中澤(高知)から逆転勝利をあげている。
國友(福岡)も山本(千葉)から面を奪って3回戦突破。
★準々決勝
○前田(大阪)×安藤(北海道)
安藤の出ばなに前田の面が決まる。安藤も猛攻を見せるが前田が小手を追加。
畠中(東京)×國友(福岡)○
初太刀、國友の出小手が一本となる。畠中も諸手突きで一本返して勝負となるが、國友が面を追加して競り勝つ。
○松﨑(茨城)×竹ノ内(東京)
松﨑が奮闘。惜しいところを叩くも竹ノ内も動じず、一瞬のスキを面に打ち取る。しかし学生剣士の闘志は衰えず、見事な出ばな面二本を奪い返す。
○竹下(大分)×足立(埼玉)
序盤から竹下がひき面、面と攻め立てる。途中、足立の面も惜しい機会をとらえる場面があったが延長戦で竹下の小手が一本。
★準決勝
前田(大阪)×國友(福岡)○
國友が強烈な出ばな面を先制。その後、前田の猛攻にも崩れず、出小手を追加。
○松﨑(茨城)×竹下(大分)
大学生・松﨑が挑戦者の剣道で、初太刀で面に跳び込めばこれが見事な一本となる。竹下は挽回ができず、10分の試合時間が過ぎた。
★決勝
○國友(福岡)×松﨑(茨城)
過去2位2回の戦績を誇る國友に筑波大学3年生の松﨑は一歩も退かずに堂々の戦い。時間内は松﨑の技が惜しかったが、延長戦で國友が出小手をズバリと決めた。