過去に録画していたビデオを捜索していたところ、1994年に撮影した「中倉旗争奪選手権大会」が見つかりました。
毎年12月に国立市にて実施されていたこの大会は、都内の市区代表と各都道府県の代表剣士、それから各種大会の最優秀選手等を多数招待した、とてもバラエティに富んだイベントでした。
この大会に出場した戸田選手の試合後の談話です。
すでに東京剣道祭や京都大会で二刀を遣っていますが、個人戦でトーナメント形式は初めての出場です。
わたしは二刀を勉強している最中ですから、できるだけいろいろなことを試してみようと思っていました。二刀にはさまざまな構えがあります。陣形と言い替えることもできるでしょう。いろいろな構えをやってみたのは、それだけ二刀は自由であるということを主張したかったわけです。こんなに自由でこんなに思い切っていろいろなことができるということを根幹にして、二刀をお披露目したつもりです。(中略)
本来剣道というのは試合によって優劣を決めるほど単純ではないと思います。でも1回戦で負けていたら、いくらいい剣道をしても評価はされにくい。だから勝ちながらなおかつ自分の筋道、主張を通す。そういう点で今回はいい勉強になりました。
「二刀宣伝部長」として、二刀をより多くの人に知ってもらいたいですね。
(剣道日本1995年1月号61ページ)
戸田忠男範士の記事を2025年6月号に掲載しました。