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落語家・柳家小団治さんの談話

落語家・柳家小団治さんの談話

 剣道日本2月号にて、落語家・柳家小団治氏に取材をしました。記事は誌面に掲載していますが、そのなかに入り切らなかった記事をこちらに掲載しました。(撮影 窪田正仁)



 この秋、ポーランドに稽古をしに行ったのですが、その日程の途中で落語をしゃべってくれって、主催者の方に言われました。

 アタシも何度も外国に行ってしゃべってきましたが、90%以上が日本人で、たまに落語に興味のある外国人がいる程度。それまでは安心していろんなことをしゃべってきました。ところが今回だけは違う。全部剣道関係者で、ポーランド人が80人ぐらいでウクライナやチェコ、ドイツ、イタリアの人たちがあわせて30人ぐらい。日本人はひとりもいない。2日間みっちり、5時間ぐらい打ち合わせをしました。

「寿限無」と「がまの油」を、一方的にしゃべります。私がしゃべっていると、上にポーランド語の訳が出るわけです。ポーランドの人たちはいいですよ。ほかの国の人たちはポカンでしょう(笑)。

 45分しゃべってきましたけど、真剣に聞いてましたよ。はじめからウケないのは分かってます。でも、感じるんですね、空気を。無反応じゃなかったし、子どもも含めて誰も出て行かなかったですからね。下手に日本でしゃべってウケないときよりずっといいんです。

 日本語のなかでも歌や歌舞伎は知っているかもしれないが落語というジャンルはまず知らないでしょう。でも、音楽として聞いているような感じはありますでしょう。「寿限無」は同じような言葉の繰り返しですし。
 考えてみればたいへんなできごとですが、45分間、いい経験をさせていただきました。

※編集部より
小団治氏は、落語家として初めて「人間国宝」になった五代目・柳家小さんに弟子入りしました。師弟とも剣道七段です。
落語における間と、剣道との関連性について取材した記事は、ぜひ2月号をご覧ください。

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