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私立東海中学・高校(愛知)剣道部 北村滋敏前教諭(七段)&尾上昇前OB会会長(OMC株式会社代表取締役会長)インタビュー(後編)

私立東海中学・高校(愛知)剣道部 北村滋敏前教諭(七段)&尾上昇前OB会会長(OMC株式会社代表取締役会長)インタビュー(後編)

剣道日本5月号掲載「進学校と剣道部」から

ともに東海高校剣道部OBで、40年以上にわたり、教諭として剣道部顧問を務めた北村滋敏七段、同期間をOB会長として東海高校剣道部を支えてきた尾上昇(OMC代表取締役会長)氏に東海高校剣道部についてインタビューしました(一部は誌面に掲載しています)。

進学指導はしないが、「横道にはそれさせない」のが剣道部顧問の役割


 学校全体で生徒の自主性を尊ぶ校風ですが。「東海高校全体は前述のとおり求められれば先生がとことん支援するという校風です。剣道部も『来るもの拒まず、去るもの追わず』が原則です。ただし、『剣道部をやめたい』と生徒が言ってきたときに、『やめたら横道に逸れかねない』というときは父兄に直談判してでも止めたことがあります」(北村)
 横道に逸れるとはどうしてわかるのでしょうか?
「中高一貫校しかも男子校ですから、剣道部員とは毎日の稽古で顔を合わせて、春夏の合宿や遠征を通して寝食を共にします。顧問は20代、30代はお兄さんのように、40代以降はお父さんのように接するようにしています。中高6年は子どもから大人に成長するタイミングですから、いろいろと外に興味が出ます。そのときに興味の対象が必ずしも学生にふさわしくない、それが理由で剣道部を辞めたいと言ってきたら、絶対にやめさせません。父兄にも相談して軌道修正を支援します」(北村)
 父兄が学校と顧問の先生を信頼してくれないとできませんね。
「そういった姿勢に共感してくださった父兄が東海剣道部父母会を自発的につくってくださった。大変ありがたいことです」(北村)

剣道が強いことが価値ではない東海剣道部の仕組み

 2019年4月の大学進学実績では剣道部卒業生が入試最難関の東京大学理科Ⅲ類と京都大学医学部にそれぞれ合格する快挙を達成しています。
「東海剣道部では中学3年で主将を指名する際に『剣道が強いこと』を重視しません。また『学業成績が良いこと』も重視していません。もっとも重視するのは『人間性』です。日々、学校生活と剣道場での取り組みをみているなかで『勉強と剣道両方に一生懸命頑張っていること』、これが主将の条件です。
 象徴的なのは、インターハイ団体に初出場した学年です。その学年は勉強でも剣道でも突き抜けた個性派が揃っていました。そこで主将に指名したのは、もっとも剣道が強いわけでもなく、学業成績が優秀なわけでもないが、日々の稽古と勉強で最も一生懸命頑張っていた生徒でした。生徒の自主性に任せているからこそ、個性派を従えられるリーダーシップは『人間性』だと信じています。
 中高6年ありますから、人間性のある生徒が6年コツコツ剣道と勉強を頑張ってゆけば、必ず剣道も高校3年次には試合で勝てるようになり、進学も希望を達成できると信じています」(北村)

剣道部顧問は率先垂範、型にはめない指導方法

 東海高校OBの稽古を拝見すると全員の剣風が異なることが特徴的です。
「専門家を養成するわけではありませんから、“型にはめない指導”が加藤万寿一先生の時代から伝統です。中学校で初心者からはじめて基本的なことを教えて防具をつけるまでになったら、あとは常時数人で顧問の先生が基に立ち、大学剣道界で実績のあるOBが稽古に来ますから、自分で見て『こうなりたいな』と思った先生・先輩をとにかく真似る。そして自分の得意技をひとつでも見つけてくれればよい。そして試合で1回でも勝つことができればもっと剣道が好きになる、そういう考え方です」(北村)
 顧問の先生が大変なことも多いでしょうが、喜びも大きいですね。
「加藤万寿一先生が最晩年まで稽古をされて『剣道は蘊蓄でやるものじゃない』という姿勢をみせられてきました。わたしも防具をつけて稽古ができなくなったら剣道をやめるときだと覚悟して剣道部の顧問をしてきました。東海高校の教員を退官して68歳になった今、何よりうれしいことは医学部に進学した教え子を中心に剣道を継続してくれていることです。その中には七段に昇段した教え子もいます。彼らと互格稽古をして一本とれたときは今でも最高に楽しいですね」(北村)

 ありがとうございました。

北村氏


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