「戦評」インターハイ北海道予選

第69回北海道高等学校剣道選手権大会兼 第70回全国高等学校剣道大会北海道予選会

戦評文責　梶川大祐、遠藤尚也、石井義紘

令和５年度第69回北海道高等学校剣道選手権大会兼第70回全国高等学校剣道大会北海道予選会が、６月13日（火）～16日（金）にウインドヒルくしろスーパーアリーナを会場に開催され、団体戦男子25校、女子25校、個人戦男子60名、女子55名が出場した。

今大会は久々に有観客で行われた。また今年度は北海道インターハイということで、記念すべき大会を、釧路湖陵高校が当番校を務めて下さいました。吹奏楽部の素晴らしい演奏の中、選手の入場行進から開会式が行われた。内容は、大会委員長より挨拶を頂き、北海道剣道連盟会長、釧路市長より祝辞を頂き、佐賀豊審判長から試合審判法について、詳細に注意が述べられた。最後に釧路湖陵高校剣道部主将の成田選手、堀選手の熱い気持ちの入った選手宣誓があり、いよいよ記念すべき北海道インターハイ出場を掛けた熱戦が始まった。

１　男子個人戦決勝

菊地（東海大札幌）　ドコ―　　笠原（札幌日大）

　試合立ち上がり、両者譲らずの攻防戦だったが、中盤に差し掛かり、菊地が素早く攻め入ったところ抜きドウを打ち先制する。菊地がさらに攻め続けるが、試合終盤に差し掛かり笠原が反撃に転じるが、菊地は動じることなく笠原の面に対して鮮やかな出コテを決め勝負あり。

２　女子個人戦決勝

玉井（東海大札幌）　メ―　　　伊藤（札幌第一）

　試合序盤は、両者様子をうかがいながら、譲らずの攻防が続く、中盤で玉井は伊藤が引いたところに小手面を打つが一本にならず、すかさず、鍔迫り合いで伊藤が居ついたところに引き面を打つが一本にならず、伊藤も中盤で反撃する。良いタイミングで跳び込み面を打つが、一本にならず、４分では決着が付かず、延長に入る。延長すぐに、玉井が面を放つも不十分、終盤に素晴らしい出ばな面を打ち一本。北海道でインターハイが開催される記念となる大会で、有終の美を飾った。

３　男子団体戦決勝リーグ

初戦。東海大札幌は、札幌日大との一戦を迎える。中堅戦までは攻防戦が続き引き分けとした。副将戦で笠原が抜きドウを奪い先制する。大将戦では東海大札幌の菊地が面を奪い反撃するが一本勝に終わる。勝負がつかず引き分け。２試合目、東海大札幌は恵庭南と対戦し、圧勝した。また、札幌日大は札幌第一と対戦し大将戦になったが、小林が落ち着いた試合運びでメンを奪い勝負あり。２校は勝ち点が同数のまま最終戦に臨む。東海大札幌は、札幌第一と対戦し、5-0と完勝した。一方札幌日大は、先鋒戦こそ落としたが、次鋒から３連勝し勝負を決めた。勝ち点で同数となったが、勝者数で東海大札幌が上回り３年連続30回目の優勝を飾った。惜しくも２位に終わった札幌日大も、北海道インターハイでは奮起を期待したい。

４　女子団体決勝リーグ

初戦、札幌日大と北海道栄が対戦する。先鋒戦は序盤に札幌日大の宮内が相メンで先制すると、中盤に差し掛かったところで小手返し面を打ち二本勝ち。続く次鋒戦はお互いに出コテを取得し引き分けに終わる。中堅戦は両者譲らず引き分け。副将戦は、序盤に札幌日大の原口が相小手面を打つが不充分で旗一本。北海道栄の山本は公正を害する行為で反則をもらう。原口はその後、相手の居ついたところに跳び込みメン、出コテを立て続けに取得しチームの勝利が確定する。大将戦は両者一本ずつを取得するも引き分けに終わり札幌日大が快勝する。一方、東海大札幌は、札幌厚別に対して3-0と幸先の良いスタートを切る。
続く２戦目、札幌日大は東海大札幌と対戦する。先鋒戦、札幌日大の宮内が跳び込みメンで先制し一本勝ちとする。続く次鋒戦、札幌日大の小田が相メンで先制する。しかし東海大札幌の伊端が出コテで取り返しさらに攻防が続く。最後は小田が出頭を面でとらえ勝負あり。中堅戦、相手の打突の終わりに馬場が面を打って先制する。そのまま札幌日大が勝利かと思ったところだったが、野崎が相メンで取り返した。このまま引き分け、副将戦、大将戦も引き分けとし札幌日大が２連勝とする。北海道栄は札幌厚別と対戦し、本数で上回り勝ち点を取得する。
最終戦、札幌日大が札幌厚別と対戦し4-0の圧勝に終わり２年ぶり１９回目の優勝を飾る。一方、北海道栄と東海大札幌が対戦する。息詰まる攻防が続き両者譲らず副将戦まで引き分け。大将戦も決め手がないまま試合終盤に差し掛かる。北海道栄の伊東が出コテで先制する。そのまま逃げ切り北海道栄が２位となり、記念大会となる北海道インターハイ出場の切符を手に入れた。

大会結果及び出場校、個人戦上位入賞選手の写真を、月刊剣道日本９月号（７月２５日発売）に掲載しています。