月刊剣道日本12月号では、「竹刀」を特集しています。名手16名が使う竹刀の写真とそのこだわりについて、一挙大公開。全国の名手の、普段なかなか聞けない話が載っています。
そのお一人である大津慎一郎氏(教士七段)の記事を特別に公開します。
昇段審査を意識して、竹刀が変化
試合剣道から段審査に気持ちが移行したとき、竹刀にも変化がありました。
柄の長さが短くなり、現在は30〜31㎝です。長いと“右手打ち”になる感覚があり、左手で打てる感覚を得たいと思って柄を短くしたところ、しっくりくるようになりました。応じ技も、右手が自分の身体に近いほうが竹刀をうまく操作できる感じがします。また相手からも私の小手の位置が遠くなる。それも利点かなと。
それから柄が太くて、周りの方からビックリされます。「柄が太くて疲れないのか」と尋ねられるのですが、私の場合は逆に細いほうが疲れるんです。細いと指に“あまり”が出るからでしょうか。太いほうが収まりがいいように感じます。ただ、この竹刀は探すのが大変です。日頃お世話になっている竹島武道具店に行ったときに銘の入っていないこの竹刀を握ってみたら手元が重く、「これは振りやすい」と感じ、以来、その竹刀が入荷されたときに連絡をいただくことにしています。
重さは、540〜550g。試合の規定より重めですが、手元が重い分、さほど重さを感じません。これより軽いと打ち自体が軽く感じてしまいます。
大学生の頃は稽古量も多かったので、壊れにくいカーボン製の竹刀を使用していました。ただ、その時期以外は真竹の竹刀を使い続けています。
大津慎一郎《神奈川》
(おおつしんいちろう)教士七段。昭和44年神奈川県生まれ。東海大学を卒業。現在は会社代表(株式会社ENBRIDGE、剣道日本12月号103ページ参照)。川崎市剣道連盟審査部長を務める。
※12月号の詳細はこちら。https://kendo-nippon.co.jp/post-4285/
関連動画もぜひご覧ください。
https://youtu.be/s_-EEYVfRPE(職人の竹刀づくり)