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元学生王者は今、 仕事でも全国制覇目指して(鈴木由香さん 49歳)

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高校時代にインターハイ2位・国体優勝、大学時代に全日本女子学生団体優勝等の実績を残した鈴木由香さん。社会人になった後は剣道から離れていたが、新たな事業の代表となり、同時期に剣道も再開。まったく違った角度から剣道に触れたことで「剣道が好きだったんだ」と新たな感覚を得ている。

 小田急線の経堂駅から徒歩1分のところのビルに「十坪(とつぼ)ジム」がある。室内にはたくさんの器具が並んでいるが、一般的なトレーニングジムとはかなり内容は違う。アスリートはもとより、高齢者も通える施設なのだ。東京大学の小林寛道名誉教授が開発した器具を使ったジムである。ここの代表を務めるのが、鈴木由香さんだ。

高齢者とアスリートが
同居するジム

(記者)このジムの特徴を教えてください。

(鈴木)会員の7割近くが65歳以上で、最年長の会員は94歳、小学生の会員もいます。また、アスリートに至っては、競輪選手は今までに70名以上が当ジムをご利用いただきました。サッカーのジュニアプロや今年から女子のプロサッカー選手になった方、剣道の日本代表レベルの方もいらっしゃいます。プロ選手の方と車いすの方が同じ場でトレーニングをしているのです。

 ほとんどのスポーツ選手は瞬発系の筋肉を使っていますが、それは日常のトレーニングで充分にできています。問題は、持久力系の筋肉です。これはトレーニングで鍛えにくい、関節の奥深いところにあります。この筋肉はすぐ硬くなりやすい性質があって、同じ方向の動きだけを繰り返していると一方向だけ柔らかくなって別方向の筋肉が硬くなる結果、柔軟性が失われるのです。

 最先端のトレーニングは、瞬発力と持久力を分けて鍛えます。ここでは、持久力系の筋肉に意識を置いています。

(記者)見ていますと、鍛える、というより奥底にある筋肉を呼び覚ます、という感じのようです。

(鈴木)ベンチプレスで100㎏を持ち上げていた人が120㎏を上げられるようになったり、一方では車いす生活をしていた高齢者が自力で歩けるようになっています。介護5だった方が介護1になった例もあります。

小学校で剣道部を創部
「いじめられっ子」から脱却

(記者)ご出身は。

(鈴木)宮城県の登米市です。佐沼小学校5年のとき、必修クラブで剣道を選択しました。初めて竹刀を買ってもらったことがうれしくて毎日素振りを外でしていたら、近所に住んでいた氏家良人先生(氏家道男国士舘大学教授の父)の目にとまり、「あれは筋が良さそうだ」と私の父に進言したようです。小6の4月、父が「小学校の剣道クラブに女子部をつくるようにお願いしてはどうか」と言われ、翌日顧問の佐々木弘善先生のところへ行ったら「3人集めたら女子部をつくる」と言われました。すぐ友達に声をかけ、3人集まったので、お願いに行き、部をつくってもらいました。

 運動神経はけっして良くはなく、何をしても劣等生だったのですが剣道との相性は良かったようで、すでに30人いた男子部員に勝って部内戦で2位になりました。ひとつの技を覚えるにも人の3倍は時間がかかりましたが、賞状をもらえたことがうれしくて、あきらめずに取り組むことができ、同時に勉強にも意欲が増して成績も上がっていきました。剣道を始める前はいじめられっ子だったのですが、卒業するころにはいじめられることもなくなりました。

 ジムでも、いじめで困っている子どもたちが来ることがあります。「自信につながることを見つけられるといじめられなくなるよ。なんでもいいから好きと思うことをたくさん練習してごらん」と話しています。

同じジムに勤務する金子美保さん(右)と稽古する鈴木さん

(このあと、山形県の左沢(あてらざわ)高校へ進学してからの剣道生活、そして東海大学・同大学院へ進学した後の社会人人生について。そして今、剣道を復活して思うことについて述べています。全文は、12月号をぜひご覧ください)

鈴木さんが経営する「十坪ジム」についてはこちらをご参照ください。

実際の体験をレポートしたプレスリリースもございます。

https://www.atpress.ne.jp/news/228233

※「剣道日本」より。
 12月号の記事と連動したユーチューブ動画もあります。

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