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「戦評」インターハイ静岡県予選

資料提供 清水敬也(静岡県高体連剣道専門部)

男子団体

 前年度優勝校磐田東高校と浜名高校の対戦。先鋒戦は両者先を取り合い互いに打ち合う展開であったが時間内に勝負は決まらず引き分け。次鋒戦は、途中藤雄(磐田東)が中心を割って思い切って面に跳び込む場面があったが旗は上がらず。その後も互いに引くことなく積極的に攻めるが決着はつかず引き分けとなる。中堅戦も両チーム一歩も譲らず引き分け。ここまで膠着状態が続いていたが試合が動いたのが副将戦。試合開始後2分が経過したところで鈴木(浜名)が鋭く間に攻め入り思い切って打ち込んだ面が、一瞬攻め遅れた原(磐田東)をとらえ一本。そのまま時間切れで浜名が一本勝ちでリード。勝負のかかった大将戦。何としても一本を欲しい甲斐(磐田東)は序盤から猛攻を見せるが、藤江(浜名)も引かずに攻め込んでいく。そんな中試合終了間際、藤江が鋭く攻め込み打ち込んだ小手が、甲斐の浮いた手元をとらえ一本。そのまま試合終了となり、浜名高校が6年ぶり6度目のインターハイ出場を果たした。

女子団体

 西部地区優勝の浜名高校と中部地区優勝の東海大付属静岡翔洋高校の対戦。先鋒戦、3分にさしかかろうとしたところで森島(東海大翔洋)が相手の間に素早く攻め入り、相手の手元が浮いたところに打ち込んだ小手を決めて一本勝ち。次鋒戦は3分過ぎに天野(東海大翔洋)が上段から放った面が相手をとらえ一本となった。中堅戦、2分過ぎに窪田(東海大翔洋)が中心を割って打ち込んだ面が相手をとらえ一本。しかし試合終了間際、力強く攻め入った坂口(浜名)の面が、下がって守ろうとした窪田をとらえ一本となり、その後時間切れで引き分け。副将戦は、一本が欲しい峯(浜名)が積極的に間に入り打ち込むが、三枝(東海大翔洋)も間合いを使って相手の攻めに応じる。最終的に、三枝が峯の猛攻を冷静に抑え込み試合は引き分けで勝負あり。大将戦は、両者が積極的に相手の間に攻め入り技を繰り出すも勝負はつかず引き分け。東海大翔洋が昨年度優勝校浜名高校との激戦を制し、初のインターハイ出場を決めた。

男子個人

 同チーム対決となった下田(磐田東)と甲斐(磐田東)の一戦。お互いの手の内を知り尽くした中で、互いに相手の隙をつかんと積極的に攻め入っては、簡単には打たせまいと守り堅く応じる展開が続く。試合が動いたのは開始後1分過ぎ、鍔迫り合いに入った直後に下田が下がろうとしたところを甲斐がすかさず打ち込んだ引き面が一本となる。その後下田は一本を取り返そうと果敢に攻め入り技を繰り出すが、入り際や出ばなをそれ以上に狙った甲斐に一歩届かず、時間切れで甲斐の一本勝ちとなった。

女子個人

 東部地区個人戦優勝の遠藤(吉原)と、西部地区個人戦優勝かつ新人戦県大会個人戦を優勝した山崎(池新田)の対戦。互いに相手の技を凌ぎながら隙を窺うが時間内に勝敗が決まらず延長戦に入る。1回目の延長戦内では、遠藤の逆胴、山崎の出小手が繰り出されるが旗は上がらず。互いに譲らない展開の中、その均衡が破れたのは2回目の延長戦に入って40秒のところであった。遠藤が間合いに大きく攻め込みそのまま正面を割って打った面が山崎をとらえ一本。2回の延長を経て遠藤の1本勝ちとなった。

『剣道日本』2023年9月号では、インターハイの各都道府県予選結果を一挙掲載(優勝校及び個人戦上位入賞選手の写真も掲載)

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